令和6年7月9日、令和6年度 制販倫主催「第15回 青少年の健全育成・非行防止を考える講演・研修会」が5年振りに池袋ホテルメトロポリタンで開催されました。
本講演・研修会は、内閣府、警察庁など関係官庁が合同で実施する「青少年の非行・被害防止全国強調月間」に呼応し、青少年を取り巻く現状や社会情勢等について講演を通じて研修を行い、もって業界の健全な発展と青少年の健全育成・非行防止等に寄与することを目的として毎年実施しているものです。
来賓としてこども家庭庁成育局をはじめ、都生活文化スポーツ局都民安全課の担当課長等のご出席を頂き、講演・研修会の講師には、第88代警視総監池田克彦氏、生活安全部少年育成課新宿少年センター心理技術主査井口由美子氏をお招きして、業界関係者をはじめ、池袋・目白・城東警察署の防犯協会、母の会、少年補導員並びに各ボランティア団体など合わせて約400名が参加して開催されました。
講演・研修会における理事長挨拶
ただ今、ご紹介を賜りました「日本映像制作・販売倫理機構」理事長の西村でございます。
開会に当たり、主催者を代表いたしまして一言(いちごん)ご挨拶を申し上げます。
本日は私共(わたくしども)制販倫主催によります「青少年の健全育成・非行防止を考える講演・研修会」へのご案内を差し上げましたところ、公私ともに大変ご多忙の中、日本市民安全学会の石附(いしづき)様、内閣府の中島課長補佐様、東京都生活文化スポーツ局の鉢(はち)窪(くぼ)課長様、東京防犯協会連合会の田中専務理事様をはじめ、多くの官公庁や地元防犯協会などから、青少年の健全育成に深くかかわっておられる方々のご参加を賜り、本会が盛大に開催されますことに対しまして、衷心より厚くお礼申し上げます。
この講演・研修会は、内閣府の主唱(しゅしょう)により、警察庁はじめ各省庁、都道府県、及び市町村等が参加して、毎年7月に実施されます「青少年の非行・被害防止全国強調月間」に呼応してその協賛団体として開催しているものでございます。今回で第15回目を迎えることができましたが、コロナ禍(か)のために、5年ぶりの開催となりました。
これもひとえに警視庁をはじめ多くの関係機関・団体そして会員企業や業界関係者の皆様のご支援・ご協力によるものでございまして、改めまして厚くお礼申し上げます。
本日は、第八十八代警視総監で、元原子力規制庁長官として、幅広いご活躍をされておられます池田様、そして警視庁少年育成課で非行少年や不良少年の立ち直りにご活躍されておられる井口(いのくち)様にご講演をお願いいたしました。ご経験豊富なお二方(ふたかた)の大変参考になるお話が窺えるものと期待しております。
さて、我が国におきましては、少子高齢化が急速に進展する中で青少年を取り巻く環境は大きく変化しており、青少年の非行情勢は、刑法犯少年の検挙人員が戦後最少だった令和3年から2年連続して増加に転じており、人口比では20歳以上と比べて依然高い水準にあります。また、児童虐待(ぎゃくたい)も年々増加の一途をたどっており、深刻な状況にあります。
さらに、最近におけるインターネットの多様化と急速な利用拡大は、青少年にとって有害な情報にいとも簡単に接することができる環境を作り出しております。スマートフォンやSNS等を通じて、面識のない児童と悪意のある大人との間で接点が生じ、それが性犯罪等の被害につながる事例も見られております。中には被害者が小学生に及ぶなどの極めて憂慮すべき状況もみられているところであり、利便さの裏には大きな危険をはらんでいることを知らなければなりません。
情報が氾濫する中、大人にとっては娯楽となる情報も、青少年にとっては有害となるものが多く、我々大人が責任をもって青少年に有害となる情報の遮断(しゃだん)に努めていかなければなりません。
次代(じだい)を担う大切な人材である青少年の健全な育成は、社会全体で真剣に取り組まなければならない課題であり、我々大人はそのことを真剣に考えていかなければならないと考えております。
私共制販倫は、第三者的な自主規制団体として、青少年を有害情報から守るために、青少年にとって有害な図書や映像を「売らない」「貸さない」「見せない」の三原則を推進し、青少年の健全育成に関(かか)わる関係機関や団体と連携しながら、青少年の健全育成に努めて参りたいと考えております。関係者の皆様には引き続きご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、本日ご参会の皆様のご健勝・ご多幸を祈念いたしまして、私のご挨拶とさせて頂きます。
研修会の様子
研修会当日の様子をご紹介いたします。